後悔していること。
後悔していること。
先日大学院で大変お世話になった先生が亡くなった。
癌を患っていらっしゃる事は聞いていたのに、どうも全快したようだ、という噂を信じて卒業以来一度も顔を見せなかった。
話したくてももう会えない、話せない。
会いたい人にきちんと会っておかないと後で後悔するんだと、身に染みて感じている。
学校というのは卒業してからまた足を運ぶ、というのが難しい。卒業する前は、行くのなんて簡単だ、すぐに会えると思っていたが、いざ卒業してしまうとなんか億劫だし、行ったところでもはや部外者だから、、とかいろいろ言い訳を考えてしまう。
大学院は平日夜と土曜日開講している、社会人向けの学校だった。生徒はほとんどが社会経験を積んでいて、将来は自分で事業を起こすか、超大手企業を転職をして行くか、という人達。
そんな中、私は社会経験も乏しく、経営戦略?何?B to C?何それ食べ物??という状態で入学した。
他の先生がビジネスとはなんぞやという事を難解な用語で語る中、先生の授業はわかりやすくてすぐに内容が頭に入ってきた。そして講義している先生にはすごくオーラがあった。この人はなんて頭がいいんだ、頭ん中どうなってるんだろう(上から目線、、)と衝撃を受けた。それもそのはず、後から聞いたところによると、灘高から東大、ハーバードというものすごい学歴をお持ちだった。
時には生徒間でのディスカッションもあり、意見交換できたのは貴重だった。テキストや授業中のメモはすべて残してある。
様々な企業のケーススタディや、交渉戦略、ファミリービジネスのあり方、履修した科目は内容まで詳細に覚えている。
他の目的があったため、卒論は違う先生の元で書いたのだが先生の分野で書きたかった。
私の将来の方向性を決めていく上で、すごくいい影響を与えてくれた先生だった。
卒業後に話をしたかったな。後悔してももう遅いけれど。
素敵な笑顔が印象的だった青井倫一先生のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。